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2018.02.08

A級のB級スポット。

B級スポットに行くのは、

ただ面白がってるわけでもなく、バカにしているからでもない。

 

そこには、”好き”と”自己満足”を追求した、

超絶coolな大人達の超coolな産物があるからだ。

 

私にとって、たくさんの勇気をもらえるパワースポット、

それがB級スポットなのである。

しかしながら、この日私がまずもって訪れたのは

 

超正統派A級パワースポット、伊勢神宮。

 

いくらB級が好きでも、

お伊勢様をさしおいて、B級スポットを優先させるほどの勇気はない。

 

そのあとに、

 

 

行ってきました。

 

 

“姫路城”

 

「姫路城はB級じゃない!」と兵庫出身の方に怒られそうですが、

 

こちらは姫路城といっても、ミニ姫路城なのです。

じゃーん。

 

このミニ姫路城のある場所は、

姫路城のある兵庫県ではありません。

長崎にあるハウステンボスでもありません。

 

こちらは、

三重県伊勢市。

 

の、とある夫婦のご自宅前にあるお庭です。

 

こんな感じ。

 

城の横には、車が4台ほど入る駐車場まで完備されている。

見学客に優しすぎる心遣い。

 

訪れたのは金曜日。

良かった、やってる。

 

といっても、もし休園日としても、先ほどの写真を見てもらえればわかるように

外からも十分見えるので安心だ。

 

看板に従い、声をかけてから入ろうと思い、

お庭に入ってからインターフォンを押す。

 

出てこない。

 

もう一度インターフォンを押す。

ちゃんと鳴ってる。

 

出てこない。

 

明らかに人がいる気配がするのだが。

 

仕方なく、さらに足を進めると、

縁側から少し障子が空いているのが見え、

障子の隙間からは、お父さんがテレビを見て笑っているのが見えた。

 

お父さんの方を見て会釈をしてみたが、

お父さん私のこと、アウトオブ眼中。

テレビに夢中。

 

夢中なのか面倒なのかわからないが、

ドアフォンは鳴らしているし、

しつこく挨拶するのも逆に申し訳ないかもと思い、

そのまま、静かに見学することにした。

 

ディティールまでこだわって作っている偉大なミニチュアである。

 

その後、5分くらいうろうろしていると、

奥様が玄関から出てきた。

 

ピンポン押しても出てきてくれなかったので、

迷惑がっているのか心配していたが、

親切にこのミニ姫路城の説明をしてくれた。

 

そのお話しの中で一番驚いたし感動したこと。

 

 

なんと、このご夫婦は、

このミニ姫路城のために、電線や電柱の無い、美しい自然と空が広がっている

この土地を、わざわざ探して選んだということ。

 

そしてその土地の、横幅が、姫路城城内の横幅の1/23だったので、

 

全てが1/23で仕上がったミニ姫路城。

方角も全く同じになっているそう。

 

「私はこういうの苦手だから。。」

という奥様、すべて旦那様が作ったのかと思いきや、

シャチホコやお侍さんのミニチュアの焼き物は、奥様の手作りだとか。。

 

ご夫婦の共同作品じゃないですか。

 

お堀には鯉??! と思いきや、

奥様

「これ金魚。どんどん大きくなっちゃって。。あれ?凍ってるわ。」

(金魚って凍った水でも生きられるんですね。すごい。)

 

 

ちなみにこの入り口から城内を見るのが奥様のおすすめスポット。

 

 

 

作成費1800万円、修復なども必要とのことで、

維持費を含めると、これからもお金はかかるのでしょう。

しかし、特に拝観料をとるでもなく、多くの人に自宅の庭を解放し、

こんな風にふらりと来た私にも時間を割いて案内までしてくれる。

 

 

19年もかけて、好きなものに没頭する人生。

そして、来た人に、笑顔や感動を与えてる。

 

B級スポットにかい間見える人々の”情熱”に

私はいつも心打たれる。

 

B級スポットにもいろいろあるが、

その情熱は、

 

ほとんどの場合が、A級なのだ。

 

photographer SHAR