MENU

2020.04.07

衝動写真的写真集

 

 

昔のアルバムを紐解くと

この写真何なんだろう、と思うような

謎であり、ツッコミどころ満載の笑けたり泣けたりする写真がたくさんあります。

 

タイトルをつけるなら

「バスタオル一枚な私と味噌汁を運ぶ母を撮る、父。」

 

満更でもない顔をしている私と

夕飯の準備をする通りすがりの割にカメラ目線の母と

家族想いの父

を感じられる写真。

 

写真は被写体だけでなく、撮り手が映り込むものです。

ですから家族にしか撮れない写真があります。

その家族にしか撮れない写真は、

極日常で、その家族らしく、何の気もない。

本当の意味でのナチュラルな写真は、家族が家族を撮った写真の中にこそ在る、

と私は思っています。

 

 

去年友人から、

10年前にスイスで挙げた結婚式とハネムーンの写真を使って写真集を作って欲しいと依頼を受けました。

 

自分が撮影していない写真を使って写真集を作るのは初めてでした。

まずは写真をセレクトしようとBridgeを開くと、失礼かもしれませんが笑いが止まりませんでした。

私の友人は、私への信頼からなのかなんなのか、

他人には見せそうもないような写真を、何とも赤裸々にすべて渡してくれていました。

 

そのおかげもあったと思いますが、

次から次へと私の中で“言葉”が浮かんできました。

衝動写真なコメントです。

 

友人には写真集にコメントを入れることを許してもらい、

制作はスタート。

 

衝動写真的写真集が仕上がりました。

 

ふたりが撮った写真を時系列で見ていくと、

ふたりの気持ちが手に取るように分かるものです。

 

 

夫、ひとりでテンション上がってるわ。

夫、は動物が好きなんだなぁ。

夫、緊張すると上ばっかり見るなぁ。

夫、疲れるとやたら顔にでるなぁ。

夫、飽きてるわ。

 

妻、ゴンドラ好きなんだな。

妻、眠そうだな。

妻、動物興味ないな。

妻、体力あるなぁ。

妻、しつこいな。。

 

夫、妻が大好きだな。

妻、夫に優しいなぁ。

 

など。

 

他人の私は、ふたりの思いはさし置き、

私のイイと思う写真を、何百何千という写真の中から残酷にセレクトしてきます。

ふたりが撮った写真には、

私が普段そう簡単に撮れないだろうシーンがたくさんあるし、

やはり被写体だけではなく、撮り手が登場している(感じられる)写真ばかり。

 

そこに私がコメントを添えていきます。

 

 

他人(衝動写真のプロ)が作る家族の写真集。

 

これは正直いって、客観視できる他人だからこそ選べるし作れるし、

衝動写真のプロだから面白いものが作れると自負しています。

そして普段から結婚写真集を作っているプロのフォトグラファーだからこそ

面白い上に、ストーリーのあるcoolな写真集が仕上がるのです。

 

 

友人は、一語一句拒否することなくOKをくれました。

旦那様へサプライズで見せるという、ストロングハートな私の友人。

怒る可能性もあるような内容ですが、(衝動写真ご存知の方は分かると思いますが)

子供のように喜び、リピート3回する旦那様の写真が送られてきました。

 

そしてその友人が私に言いました。

 

「デジタルの中に眠らせるな」

 

これは名言だ。

 

手に取れる“物”になる写真は、モニターで見る写真とは違います。

 

“物”になった写真は、

夕陽が当たって焼けたり

誰かの手に触れられ汚れたり

落として角が曲がったりすると思います。

 

物としての写真は風化し、そして写っているものも古くなる(時代)。

 

思い出と共に年をとる。

“衝動写真的写真集”

 

もし私の衝動写真投稿が好きで、興味ある方いらしたらご相談ください。

デジタルに眠っている写真達を、シュルレアリスムにデビューさせます。

お問い合わせはこちらまで

ハネムーンでも結婚写真でも、家族旅行でも、何かの記念日でも、

何でも作成できると思います。

 

 

 

photographer SHAR